少子化対策こそが人手不足解消の有効な策


今月の臨時国会にて入管法の改正が通りました。

政府は、入管法の改正が成立した後に、外国人労働者の環境整備を行う旨の声明を「あとだし」で出しています。

この入管法改正の理由は、日本国内における人手不足解消のためとされています。

しかし、人手不足解消は、外国人労働者を拡大しなくとも解消できるということを日本総合研究所の藻谷浩介さんが以下の記事でおっしゃっています。

入管法改正の愚策 人手確保は少子化対策で

(毎日新聞より)

上記の記事で藻谷さんは、以下の理由で外国人労働者の拡大よりをしなくとも人手不足は解消できる旨を述べています。

・人手不足の原因は、好況ではなく、少子化である。少子化による就業者数の減少により、人手不足が発生している。

・島根県では共働き家庭の子育て支援策が充実しているため、25歳~39歳の女性の就業率は日本一位となっている。島根県の状態を日本全国に当てはめると、日本の就業者数は約370万人増加することになり、外国人労働者を増やすよりもはるかに効率的で効果的である。

藻谷さんのおっしゃるように、共働き家庭を支援し、女性などに働きやすい環境づくりをすることが就業人口を増やすために有効でしょう。ただ、共働き支援の効果が表れてくるまでには、時間がかかることも予想できます。

政府の進める外国人労働者の拡大は、短期的に労働者数を増やす目的で行われると思われます。しかし、目先の労働者不足の対応のために、外国人労働者を安易に増やしてしまうと、受け入れ先の地域では教育や社会のあり方など、様々な問題が発生することは明らかです。外国人労働者拡大の問題は、時間を経るごとにより深刻になっていくことが予想されます。

短期的な視点だけでなく、中長期的な視点も持って問題解決に取り組む必要があり、入管法改正についてはまさに、中長期的な視点が不足していることが明確です。

少子化対策を行うことで人手不足を解消することが、日本社会に対して効率的で効果的な対応策と言えると思います。