総務省の有識者研究会が「圏域」法制化を提言


今日の神流町は、終日曇りとなりました。

最低気温は21.1度、最高気温は27.4度となりました。

今日の上毛新聞に、以下の記事がありました。

人口減、行政に「圏域」提言 市町村連携でサービス維持

(上毛新聞より)

総務省の有識者研究会は、今後人口減少により単独の自治体で行政のサービスを提供する困難になるところが増えることを懸念し、自治体単独ではなく複数の市町村が「圏域」となり行政サービスを行うことを提言しました。

総務省の有識者研究会の提言は、こちら(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei04_02000068.html

このような「圏域」という考え方は、これまでもあり、複数の市町村が連携することはありました。ただ、今回の提言では、「圏域」による行政サービスを法制化するところまで踏み込んでいます。法制化することで、これまでは各自治体が自主的に取り組んでいたものを、制度的に必須で取り組まなければいけなくなります。

「圏域」で取り組むようになるとどうなるのか。隣接した自治体間で、似たようなハコモノの建設は難しくなります。Aという自治体に福祉施設を建設した場合、それをBやCという自治体でも活用することを考えながら建設を行うようになります。BやCの自治体から見れば、ハコモノを建設する機会が減ることになるでしょう。

同一のニュースに対し、読売新聞では以下のように記載しています。

地方の大規模都市に施設や病院を集中、法整備へ

(読売新聞より)

読売新聞の記事によると、複数の自治体を「圏域」化し、まちづくりを行うよう提言されていると記載されています。そして、この提言は、実質、小規模自治体の役割を制約する面もあるとの記載もあります。

さらに、現在、自治体単位に配分されている地方交付税を「圏域」単位に配分することも検討されているそうです。

読売新聞の記事では、早ければ2019年の通常国会に関連法などが提出されるとされています。

これまで国では、人口減少により行政サービスの維持が難しくなるという問題に対して、合併により自治体を減少させるという対応を行ってきましたが、合併ではなく「圏域」による整備に切り替えたそうです。

合併と「圏域」で何が違うのか。

合併すると自治体自体の名称が変わるなど、自治体がなくなることになります。しかし、「圏域」であれば、自治体はそのまま残り、無くなることはありません。

ただ、今回の総務省の有識者研究会による提言では、自治体の権限に制約をつけることを設けるとのことなので、自治体単独で決められることは減ってくるでしょう。

自治体単位から「圏域」単位へと整備する範囲の考え方が変わるということは、地方議会の考え方も変わらなければいけなくなるでしょう。

総務省の有識者研究会の提言では、「圏域」化することだけが提言されたわけではありません。

行政サービスに「AI」を取り入れて活用することも盛り込まれています。

「AI」は、システムにより事務作業を効率化することが期待されています。既に、民間企業では、「AI」を取り入れることで、事務の省力化といった効果を生む出しているところもあります。

「AI」を活用すれば、行政サービスが省力化できるだけでなく、人材を福祉等の人員を必要とする分野へ回すことが出来るようになるため、非常に有効となることでしょう。

今回の総務省への提言は、人口減少に対して避けては通れないところを率直に進言したものだと思います。

今回の提言をもとに、どう具体的な法整備となるのか、引き続き注視したいと思います。