東京一極集中是正の施策のはずが、東京一極集中に


東京への人口流出により、人口減少が進む地方において、東京一極集中是正が望ましいことです。

東京一極集中を是正するための手段として打ち出された現政府の施策が「地方創生」です。

「地方創生」では、各自治体に「地方版総合戦略」の策定をもとめ、その戦略の策定が地方創生関連の補助金申請の条件となりました。

この地方版総合戦略について、東京新聞に以下の記事がありました。

地方創生計画 外注多数 交付21億円超 都内企業へ

(東京新聞より)

東京新聞によると、地方版総合戦略策定の際、自治体の7割超が外部企業へ委託し、委託先は東京の企業が過半数を占めていたそうです。

地方版総合戦略策定のために、国から各自治体に対して交付金が配布されましたが、東京の企業を利用することで各自治体へ配布した資金が東京に戻ってしまうという結果になっていました。

これは東京一極集中を表しているとしか言えません。

地方版総合戦略策定の本来の目的は、各自治体が課題に向き合い知恵を絞って解決策を検討することだったはずです。

しかし、今回の調査により、外部企業へ委託することで、各自治体で考えるべき作業を投げ出してしまったと言えるでしょう。

地方創生という政策が何をもたらしているのか、検証する必要があるでしょう。