政策は時間経過による社会情勢変化の想像も必要


先週末は、神流町もかなり厚くなりましたが、今日は打って変わって涼しくなっています。今日は終日雨が降ったりやんだりするような不安定な天気のようです。

とこで、4月1日に日本の全世帯に布マスク2枚ずつを配布する通称「アベノマスク」(wikipediaより)の施策が決定されましたが、昨日(5月31日)時点で神流町にはまだ配布されていません。

確かに2月頃から4月くらいまでは、マスクへの需要が非常に高くなったことなどが起因となり、マスクは極度の品不足でなかなか手に入りませんでした。

しかし、5月の中旬頃からは、マスクがドラッグストアだけでなく、様々な場所・あらゆる業態で販売されるようになってきました。現在は、マスクを買おうと思えば、すぐに購入できる状況になってきたように感じます。

4月上旬にアベノマスクが届けば、利用率は高くなったかもしれませんが、現時点で届いても利用率はあまり高くならないことが想定されます。

今回の事例から学ぶこととして、政策を決定する上で、①実行されるまでにどれくらい時間がかかるものなのか、②政策が実行されるまでの間に社会がどのように変化するのか、③利用者が本当に望んでいるものなのか、といったことを想像力を働かせながら検討しなければいけないということです。

アベノマスクの事例は、③のマスクの配布を望む声が4月上旬時点では高かったかもしれません。ただ、①のマスク配布完了までに要する時間が2か月近くかかることの検討がしっかりなされていたのか、そして、②の社会でのマスクの流通状況がどの程度回復するか、までの想像力が欠如していたのだと思います。

国家を運営することは、神流町のような小さな自治体の運営と比べられるような規模のものではありません。小さな自治体では、意思決定や手続きに要する時間が少ないことから、即時に実行しやすいです。国家運営は、自治体よりも、はるかに大規模な運営となるため、意思決定や手続きに時間がかかるだけでなく、様々な関係者がいることから、容易に政策の実行過程や所用時間を想像しがたいのだと思います。

こうした政策の結果を通して、効果や課題があるのかといったことをしっかりと検証することが重要だと思います。効果や課題の検証を行うために重要となるのが、議会です。議会は、行政の監視を行うだけでなく、その政策の効果を検証する役目もおっています。

今回の施策が検証されることを注視しなくてはいけないと思います。